行政書士の資格は就職に有利?

行政書士の就職について-1

『行政書士の資格を持っていると就職や転職に有利かどうか?』。各種の資格を目指す方にとってのこの疑問に、まずは端的にお答えしようと思います。

『就職や転職に有利かどうか?』といえば、答えは残念ながら“NO”ということになります。一般企業内にも、行政への届け出が必要な書類の手続きは確かにあります。しかしそうした書類の数は決して、行政書士を専門に雇って対応するほどの量ではないからです。

行政書士の資格が企業内で活かせるか、別の角度から見てみましょう。
『就職に有利な資格』としてよく挙げられるものに、簿記やITパスポート、また宅建主任者の資格などがあります。
簿記の知識を持っている人は経営のお金の流れを理解できますし、IT環境の知識もいまはどのような仕事にも欠かせません。簿記やITの知識は、営業の仕事にも、事務の仕事にも、建築など技術の仕事にも活かすことができます。企業への就職では、そのようどのような職業にも活かせる資格が歓迎されているのです。

専門性は非常に高いものの、行政書士の資格には、残念ながらそのような汎用的な面がありません。そのため企業の活動で活かせるとはいいにくいのです。それがこの資格を就職に有利には働いてくれないひとつの理由です。

行政書士は、基本的には「独立開業型」の資格です。就職先としてはそれほど広く開かれているわけではない反面、資格さえ取得してしまえば、個人での開業は容易です。自宅を事務所にしてスタートするなど、ごくわずかな資本があれば開業することができます。私自身も20代は会社員として過ごし、資格取得後は自宅の一室から始めたタイプです。

みなさんが在学中に行政書士の試験を目指すのでしたら、取得した資格を活かせるかどうかはともかくも、一度はどこかの企業に就職してみるのは非常によいことです。行政書士としていずれは開業するにしても、社会人経験はあった方がよいからです。特に営業職などに就いてお客様に揉まれる経験をたくさんすると、人間的にもたくましく成長できます。独立開業とはつまり経営者になることですから、仕事を軌道に乗せるためには精神的なタフさというものも大切になるのです。

しかしすでに会社員として働いてきたみなさんの場合はどうでしょう?行政書士試験に合格したのであれば、事務所に就職してまで修行する必要のあることというのは、そんなにはない気がするのです。みなさんは、雇われる側の働き方の訓練は、もう十分に積まれていると思います。先々開業することが目標であれば、そのタイミングを先延ばしにしないで、いきなり開業してしまうやり方の方が、実りある働き方につながると私は思っています。